前回に引き続きMike Gancarz著の「UNIXという考え方」について、書評を書いていければと思う。 5章 ソフトウェアのテコを有効に活用する 5章では主にソフトウェアのテコとシェルスクリプトのメリットについて書かれている。 よいプログラマはよいコードを書く。偉大なプログラマはよいコードを借りてくる 自分の仕事に他人の成果を取り込むことで、先人の努力を活かし、コードの有用性を一段と高めることができる。 独自技術症候群を避ける 既存のアプリケーションをゼロから設計し直すことは模倣であっても創造とは言わない。最も成功する会社は、他からソフトウェアを「借用」し、独自拡張を行う会社である。 コードを他社がテコとして使うのを認める ソフトウェアの寿命をコントロールしようとしても、プログラム開発への投資を一時的に保護することができるだけで、ソフトウェアそのものを保護することはできない。 すべてを自動化する コンピュータにできることを人間が手作業で行うのは時間の無駄。 シェルスクリプトのメリット テコの効果と移植性を高めるシェルスクリプトには何十ページ、数百コマンドラインに渡り、そこから呼ばれる各コマンドの背後にあるC言語のコードはものすごい量となる。これこそがテコの効果である。 時間が節約になる コンパイル段階を省略できるので、開発作業に集中できる。 Cより移植性が高い あるUNIXシステムで動作するスクリプトはほとんど修正なしで動作する。コンパイルはもちろん、どのような実行のための変換も不要。 C言語で書き直すという誘惑に負けない シェルスクリプトを次の年のマシンで使えば、もっと速く実行できるようになる。非常に移植性が高いのが普通だから、次の年のマシンに移植するのに特別な作業はほとんど何もない。 「UNIXという考え方」の書籍の購入は こちら からどうぞ。 以上、6章へつづく。